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土地・建物(マンション・アパート・店舗・事務所等)を賃借する借主の居住トラブルの解決をお手伝いする組合です。
賃借人が破産した場合には
賃貸人は賃貸借契約を解除することが出来るか
(問) 賃借人が破産した場合、賃貸借契約はどうなるのか。
(答) 〈賃借人が破産した場合〉
賃借人が破産するという典型的なケースは、借家人が店舗を借りて営業し、その経営が行詰って自己破産する場合である。破産しても何とか営業を続けていきたいと思っても、従来は賃借人が破産した場合は民法621条に基づいて賃貸人及び破産管財人は解約の申入れをすることが出来た。
今までは、借家人が破産した場合、破産が契約の終了原因になり、解約の申入れには「借家法1条の2の『正当事由』を考慮する必要はなく、もっぱら621条が適用される」(最高裁1970年5月19日判決)。このように破産を理由にして借家契約の解除が出来た。他方、借地人が破産した場合は、解約の申入れには「賃借土地上に建物を所有している場合は、借地法4条1項但書、6条2項の『正当事由』が必要である」(最高裁1973年10月30日判決)としている。
だが破産法の改正(2005年1月1日)により、破産しても再起出来るよう挽回の機会を与える必要があるとして民法旧621条が削除された。その結果、賃貸人は破産したことを理由に借家契約を解除することは出来なくなった。従って、賃借人は賃料を支払っていれば賃貸借契約は継続することが出来るようになった。営業も居住も今まで通り続けられる。
借地についても破産に関しては考え方は同じである。しかし借地の場合、例えば銀行から融資を受けて建物を建築し、銀行への支払いが出来なくなった場合、大概は借地人の建物を任意売却或は競売で資金の回収を図るので破産というケースをとることは稀である。
〈賃料はどうなるのか〉
賃借人が自己破産の申立をする。裁判所から破産手続開始決定前に賃借人が延滞していた賃料については破産債権となり、賃貸人にとっては保護されない債権となる。従って賃貸人は延滞賃料を全額回収することは困難となる。
破産手続開始決定後の賃料については財団債権となる。賃貸人は解除権を奪われた見返りに賃貸人には賃料の受領が財団債権の中で優先的に保障される。
なお、破産手続開始決定前に延滞していた賃料については破産債権となるが、破産手続決定後に、賃借人が財団債権としての賃料の不払・延滞等の事由があれば、当然、賃貸人から民法541条に基づいて契約を解除される。
東京・台東借地借家人組合
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